【ソウル=黒田勝弘】トヨタ自動車の大量リコール問題に韓国が異様なほどの関心を示している。1面トップや1ページを割いた特集をはじめマスコミは連日、関連ニュースを大々的に伝えている。韓国での“被害”は米国から輸入したわずか400台ほどなのだが、騒ぎぶりはまるで自国の問題のようだ。ニュース量は日本よりはるかに多い。 大量報道の背景としてはまず、日本への強い対抗・競争意識から“日本の失敗”を歓迎し快感を覚えるという特有の対日感情がある。と同時に世界の自動車市場で販売を伸ばしつつある韓国には、トヨタの失敗・後退は「韓国車のシェア拡大の絶好のチャンス」とする強い期待感もある。 ただ、一方では「他山の石」として、急速に増えている自動車をはじめとする韓国企業の海外進出、海外生産にとって「貴重な教訓」とする見方もそれなりに出ている。 日本との競争意識では、トヨタ本社の佐々木真一副社長が記者会見で部品の原価削