国内大手企業の若手技術者の理数系の基礎学力が低下している-。高校での履修や大学入試制度の在り方を考えさせるこうした興味深い調査結果を、神戸大学社会科学系教育研究府の西村和雄(にしむら かずお)特命教授らの研究グループがまとめた。 調査は、東証1部上場の製造業9社の協力を得て、20代の若手技術者1,226人に、数学、理科基礎、物理の問題合わせて11問に解答してもらった。問題の多くは高校で習う初歩的なレベルで、中学入試でも出題されるレベル、という。 研究グループが、解答結果をまとめたところ、全問題の平均点は100点満点で56.7点。科目別では、数学が62.1点、理科基礎が64.7点、物理が最も低く34.8点だった。 学習履歴別では、3科目とも博士課程卒が一番高く、修士課程卒、大学学部卒、高専卒の順だった。また、入試タイプ別で解答結果をみたところ、一般入試組、AO入試組、推薦入試組の平均点はそれ