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私は医師であると同時に薬剤師である。管理薬剤師を3年ばかりやっていたこともある。 ここで述べることは、業界内の人間にとっては、ほとんど常識とも言うべき事柄であるが、マスコミやWebに流れることはない。業界にとって不利な事柄だからである。(テレビ業界にとっての電波利権のようなものだ) 50年前の医薬品は不均一で不安定だった。品質や有効性や真贋を見分ける必要があった。また、薬は、製薬会社から供給される形態のままで患者に使うことができず、エキスを抽出したり、増量剤を混ぜて分包したり、打錠機で錠剤としたり、カプセルに詰めたり、ワセリンに混ぜて軟膏にしたり、溶かして水剤とする必要があった。輸液も、製品の種類が少なく、めんどうな調製を必要とした。そのためには、専門技術者が必要だった。 宮崎駿監督作品「魔女の宅急便」の冒頭で、キキのお母さんがやっている仕事が、かつての薬剤師の仕事だった。薬局は単なる小売
「なぜこの論文がNature・Science・JACSに載るの??―――おかしいんじゃないの!?」 日々研究現場で過ごしていると、こういう批判を聞く機会には事欠きません。それは日本でもアメリカでも、どこでも変わらないようです。 各自の基準で判断すれば、掲載に納得行かないところもでてくる・・・これは何も不思議なことではありません。人それぞれ評価基準は違うのですから。 しかし人は、とかく一般性のある「他人を納得させられる理由」を求めようとしがちです。必然、根拠の薄い有象無象の噂(myth)が、研究者間で飛び交うことにもつながってきます。 先日、超一流ジャーナルたるNatureが、この「ジャーナル審査に関する根拠のない風評」に対してEditorial上で払拭を試みていました (Nature 2010, 463, 850.)。 大変面白い内容なので、ここで紹介してみましょう。ジャーナルが研究発表の
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