藤田 『メッセージ』は、今、脂が乗り切っているドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のSF映画ですね。『ブレードランナー2049』の監督への抜擢でも話題です。原作はテッド・チャンの「あなたの人生の物語」。 飯田 映画公開以降、原作もめっちゃ売れてるみたいですね。 藤田 いまどき珍しく、端整で落ち着いた映像と音響で「魅せる」監督です。 『メッセージ』では、なぞの飛行物体と宇宙人との対話が中心ですが、理解できない存在と直面するときの畏怖・恐怖・未知の感じが、映像と音響でうまく伝わっていました。こういう映画は久々に観た感じがします。センス・オブ・ワンダーのある映画でしたね。 いわゆる宇宙人が攻めてくる『宇宙戦争』とか、あるいは交流する『未知との遭遇』や『ET』などと違うのは、ひたすら言語学的にアプローチするところですね。 飯田 ただ7本足の「ヘプタボット」って名前はどう考えても『宇宙戦争』の3本足「トライポッ