「美術館」で「美術館」を考える。 松岡剛評「〈正・誤・表〉 美術館とそのコレクションをめぐるプログラム」展9月に新潟市美術館で開催された「〈正・誤・表〉 美術館とそのコレクションをめぐるプログラム」展は、コレクションを中心に紹介しながら、作品を所蔵し、貸し出し、展示するといった美術館の機能それ自体に批評的に切り込む試みであった。美術と美術館をとりまく状況や、その不安定性を主題とした本展を、広島市現代美術館学芸員の松岡剛がレビューする。 文=松岡剛 展示風景より 撮影=加登智子 魅惑の展示、半分は信頼でできています。 正誤表。美術館に勤務する身としては、不穏なタイトルとしか言いようがない。印刷物において時に(しばしば?)誤りは発見され、その作成を余儀なくされる。しかも一度で済むとはかぎらない。さらに、受け取る側にとっても厄介なことに、予告なく発行・更新されていく。正と誤を線引きするものであり
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