これまで「週刊文春」は、缶詰製造大手のいなば食品の新入社員への“ボロ家ハラスメント”に始まり、静岡工場での食品衛生法違反や稲葉敦央社長(70)と妻の稲葉優子会長(54)による社員へのハラスメントなどを報じてきた。 そんないなば食品には、実に不可解な社内規則が存在することが新たに分かった。
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ギャンブル依存症は意志や根性ではどうにもならない、治療すべき病気である――。 そう語るのは、「ギャンブル依存症問題を考える会」の代表理事である田中紀子さんだ。田中さんは祖父、父、夫のギャンブルと借金に振り回される人生を送り、自分もまたギャンブル依存症になってしまった過去がある。 ここでは、ギャンブル依存症が引き金となった事件をまとめた田中さんの著作『ギャンブル依存症』(2015年刊行、角川新書)から一部を抜粋して紹介する。カジノがない国であるにも関わらず、「ギャンブル大国」となっている日本の実態とは――。(全2回の1回目/続きを読む) ◆◆◆ 20人に1人がギャンブル依存症の日本人 「病的ギャンブラー」は全国に536万人いると推計される──。 2014年8月に厚生労働省研究班の調査結果として発表された数字は、折りしもカジノ建設議論と重なり社会の耳目を集めました。 この数字は、前年(13年)
2022年4月、愛知県東浦町の畑地で全裸の女性遺体が見つかった事件で、名古屋地検はいずれも住所不定、無職の天池由佳理(38)と山下克己(56)の両被告を殺人や死体遺棄などの罪で起訴した。遺体の女性は天池の知人で、同県稲沢市の介護助手・門田典子さん=発見時(40)=と確認された。 「被害者の身許が分かって地元は仰天しました。門田さんは2019年2月に発覚した傷害致死と死体遺棄事件の被告人の1人で、同居していた当時31歳のデリヘル嬢に暴行を加えて死に至らしめ、主犯格の女に命じられて死体遺棄を手伝うなどしたとして起訴された。 亡くなった門田典子さん (フェイスブックより) しかし、検察が事件当日に外傷性脳障害を引き起こすような暴行があったことを立証するのに失敗し、傷害致死については無罪、死体遺棄などの罪で有罪となって、懲役2年、執行猶予4年の判決を言い渡されて釈放されたのです」(名古屋地裁詰め
11月15日、創価学会の池田大作名誉会長が東京都内の自宅で老衰のため死去した。95歳だった。日本最大規模の宗教団体を長年率い、1964年に公明党を創設してからは政界でも大きな影響力を発揮してきた。 宗教団体のありかたが問われた2023年、池田氏の死は今後にどんな影響を及ぼすのか。2010年に「週刊文春」に掲載された記事を期間限定で再公開する。 (初出:「週刊文春」2010年12月2日号/年齢・肩書等は公開当時のまま) ▼▼▼ 半年振りに近況が報じられた池田大作氏(82)だが、健康状態を危ぶむ声は尽きない。今では“王朝”の奥深く隠れ、幹部ですら会うことがままならない。かつて若い魅力的な宗教指導者として社会に登場した池田氏は、どこから、なぜ変わったのか。 今から47年前の『週刊文春』(昭和38年2月25日号)に、「折伏(しやくぶく)に生きる若き指導者・池田大作」と題したこんな記事がある。創価学
先日、観光ビザを使って3年半ぶりに中国に行ってきました。中国は厳しい行動制限を伴う「ゼロコロナ政策」を経て、さまざまなITツールが活用されるようになり、“中国人にとっては”より便利になったんです。しかし、外国人観光客にとっては不便になったと感じました。 キャッシュレス化が進みすぎて街からATMや両替施設が激減 例えば、コロナ禍以降、中国で急速にキャッシュレス化が進んだことで、街からATMや、日本円を人民元にする銀行の支店や両替施設が減っていました。3年半ぶりの中国散策だったのに、街歩きでも不便さを感じました。 また、コロナ前は外国人観光客も利用できたシェアサイクル。中国で銀行口座を開設してオンライン決済サービスと紐づければ、観光客もシェアサイクルを利用できたのに、コロナ禍の3年間で銀行口座が凍結されてしまい、決済できなくなって、利用できなくなっていました。コロナ前は僕自身、中国国内で問題な
まずは、僕が野球を嫌いになりかけた話から始めさせてください。 幸運にもプロ野球選手になれて、好きなものを仕事にできて、それなりに1軍で結果を残せて。満ち足りた野球人生を送らせてもらいました。 でも、結果的に現役最終年だった2020年、僕はあんなに好きだったはずの野球が嫌いになりかけていました。調子がよくても、結果を残しても使ってもらえない。1軍に上がるのは若い選手ばかり。プロ9年目、31歳になった僕も「これがプロの世界だ」と理解していたはずでした。 元プロ野球選手の就職活動 最初に頭に浮かんだのは家族のこと。僕には妻と息子、娘の家族がいます。現役時代は家族との時間が取れなかったので、半年近くは仕事もせずに家族サービスの時間にあてました。一緒に買い物に行ったり、娘の幼稚園の送り迎えをしたり、息子の学校行事に参加したり。 それはそれで楽しかったのですが、さすがに仕事をしないと家族を養えません。
2018年11月、「KAWASAKI祭り」と銘打ったイベントを開催していた兵庫県西宮市の「ライダーズカフェ インザシー」。 大盛況となって忙しく立ち回る店主に、ひとりの女性客が手伝いを申し出る。彼女が「一瞬で全体を把握して、あっという間に注文をさばいていく」様子を見た店主が「お店されてるんですか?」と尋ねると、「ただのOLよ」と笑って去っていった。後に店主は、その女性客がカワサキモータースジャパンの代表取締役社長になった桐野英子氏だったことを知る……。 2022年10月にTwitterで「#接客業であったすごい客」のハッシュタグであげられ、バズりにバズったエピソード。その“すごい客”こと桐野英子氏に、カフェを手伝った経緯や当日の様子などについて、話を聞いた。 カワサキモータースジャパンの桐野英子社長 5.5万以上の「いいね」がついたツイート ――「ライダーズカフェ インザシー」でのお手伝い
同氏の少年愛は以前から噂にはなっていたもののタブーとされていた。1964年にジャニーズ事務所が新芸能学院と授業料の支払いを巡るトラブルで裁判となった際に彼の性的虐待も公になったが、当時は同性愛へのタブー視と重なり、口にするのは憚られていた。 週刊文春は一連の告発キャンペーンで、ジャニーズ事務所の教育的配慮の欠如や不公正な労働条件、不当な報酬配分などの人権蹂躙を指摘。好奇心を煽る単なるスキャンダルとしてではなく、声なき弱者の声を拾い、事実を可能な限り客観的に伝え、世に問うことが主眼だった。 「なぜ、日本のメディアは取り上げないのか」 BBCは以前からこの報道に関心があり、22年夏にロンドンから取材のために来日。当時取材班のひとりだった筆者は、文藝春秋で元同僚と共に撮影インタビューを受けた。 ジャーナリズムを専門に学び多くの取材現場を経験した優秀なBBCのスタッフは記事を熟読・研究しており、独
11月27日、新宿駅西口の地下広場。私はわが目を疑った。100人ほど(主催者発表数百人)の在日中国人の若者たちが、集まって中国政府に抗議しているのだ。マスクや帽子、メガネなどで顔を隠している人が多いものの、見たところ一般人っぽい雰囲気である。日本語が上手な人も多く、留学生の比率が高いのだろう。 たくさんの人たちが、手に白い紙やプラカードを持っている。プラカードの文言はかなり手厳しい。「ゼロコロナ政策反対」「自由を、さもなくば死を」「習近平くたばれ」「中国共産党の思考様式は人類文明の最大の脅威だ」「人類は共産党を歓迎しない」……。多くは油性ペンでの手書きで、印刷されたものもせいぜいワードソフトで作っただけという手作り感が満載である。 「白い紙」は、今年に入ってからゼロコロナ政策や習近平政権の3期目突入に反対して街に出た中国人がしばしば掲げるようになったアイテムだ(抗議のスローガンが書かれてい
出版社枠の五輪スポンサーについて、森会長が語る音声が残っている。「講談社だけは相容れない」「こんなものを認めるなら辞めようと思う」。そして講談社は排除され、電通元専務がKADOKAWAを――。 組織委会長だった森氏 東京五輪の延期が正式に決定する直前の2020年初春。森氏は小社の取材に応じていた。当時、盛んに報じられていたのが、森氏と小池百合子都知事との対立だ。取材の音声には、小池氏への不満も記録されている。 「私の組織委員会を、何をもって伏魔殿だとか、悪の巣窟だと言われるのか、納得できないよ」 次第に上がっていく森氏のボルテージ。そして取材も終盤に差し掛かる頃、こう切り出したのだった。 「俺も喧嘩すると絶対にしつこいから――」 だが、怒りを向けた喧嘩の相手は因縁の小池氏ではない。この言葉に続けて批判を重ねたのは、五輪スポンサーを目指していた有名出版社の実名だった。 ◇ 電通元専務の高橋容
今、女性芸人の世界が揺れている。女性芸人といえば、当たり前のように「ブス」「デブ」「非モテ」をいじられ、そこで強烈なインパクトを残すことが成功への足がかりとされてきた。 しかし、持って生まれた容姿や未婚か既婚かどうかの社会属性などを「笑う」ことに対して、今世間は「NO」という意思表示をし始めている。「個人としての感覚」と「テレビが求めるもの」、そして「社会の流れ」。三つの評価軸の中に揉まれながら、女性芸人たちは新たな「面白さ」を探し始めている。 ◆ この「女芸人の今」連載で、たくさんの女性芸人にインタビューをしてきた。芸風や年代に関わらず、女性芸人が女性芸人を語る時、必ず出てくる「上沼恵美子」という名。 かつての女天才漫才師は、レギュラー13本をあっさり捨てて関西テレビ社員だった夫と結婚、そして出産。なにわのヤング主婦としてタレント業を始め、いつしか「西の女帝」と呼ばれるようになった上沼恵
ロシアがウクライナへの全面侵攻を開始してから約1週間。刻々と変化する戦況や現地での痛ましい被害が伝えられるなか、未だに見えないのが「プーチン大統領の思惑」だ。プーチンは何を求め、どんなシナリオのもとでこの侵攻を行っているのか。 そこで、防衛省防衛研究所でロシアの安全保障について研究している山添博史氏(主任研究官)にインタビューを行った。全面侵攻が始まった2月24日、報道番組「news every.」(日本テレビ系)に出演し、「ロシアの嘘を許してはならない」と強く語った山添氏は、現在の情勢をどう見ているのか――。(全2回の1回目/後編に続く) ※インタビューは3月1日夜に行いました ◆ ◆ ◆ ――ロシアがウクライナに侵攻してから6日が経ちました。ロシアの安全保障を専門とされる山添さんにとっても、やはりこの事態は想定外のものだったのでしょうか。 山添 2月21日の夜にロシア連邦がウクライナ東
演出責任者の相次ぐ交代など迷走を重ねた五輪開会式。今回入手した11冊にも及ぶ台本には、その過程が詳らかに記されていた。なぜ、どのようにして、開会式は“崩壊”していったのか。小誌だけが書ける全内幕――。 そのセレモニーは、新国立競技場に1台のバイクが颯爽と走ってくるシーンから幕を開けるはずだった。大友克洋氏の漫画『AKIRA』の主人公の愛車、赤いバイクだ。会場に映し出されるカウントダウンの数字。ゼロになると、中央のドームが開き、ステージに3人の女性が姿を見せる。Perfumeだ。会場には、彼女たちをプロデュースする中田ヤスタカ氏の書き下ろし楽曲が流れている。 Perfumeの出演は幻に終わった 精魂込めて作り上げた210分間のステージが、全世界の人々を虜にし、アスリートたちの背中を押していく。演出振付家・MIKIKO氏と彼女が率いてきたチームにとって、東京五輪の開会式はそんな晴れ舞台となるに
安倍政権がコロナ不況への緊急経済対策として打ち出した「持続化給付金」。約2兆3000億円の予算がついたこの事業を経産省から委託された一般社団法人が、実体のない“幽霊法人”だったことが「週刊文春」の取材で分かった。社団法人の代表理事が「週刊文春」の取材に対し、「何も活動がない」と認めた。 持続化給付金事業は、昨年より収入が減った中小企業等の法人に最大200万円、フリーランスを含む個人事業者に最大100万円を上限に現金を支給する制度だが、入金が遅れるなどトラブルが相次いでいる。 担当する中小企業庁のホームページによれば、同事業を受注したのは「一般社団法人サービスデザイン推進協議会(以下、「サービス協議会」)」で、アベノマスクの予算を300億円も上回る769億円で契約している。 登記簿に記載されている所在地は、東京・築地にある9階建てのオフィスビルだ。記者が実際に訪ねてみると、確かにエントランス
* * * 猪瀬直樹さんの往年の名著に『昭和16年夏の敗戦』(中公文庫)があります。私も引っ越しのたびに本棚を整理するものの毎回生き残り、半年に一度ぐらいは目を通すぐらいに現代でも通用する非常に興味深い記述の多い内容に涙するわけであります。 ここまで鮮やかな筆致で戦前の空気感や日本の俊英たちの軌跡を描いておきながら、猪瀬直樹さんご自身はカバンに5,000万円が入らず謎の借用書片手に東京都知事の職を追われてしまい『平成25年冬の敗戦』状態になっておったのが物悲しいです。本書と並び、戦前の日本組織について一般に語られるレベルで大きな影響を与えた『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』(戸部良一ほか・著、中公文庫)もまた、日本って何でこんなつらくて勝てない組織なの? という話が並んでいるので興味津々であります。 日本人が経営の組織はだいたい同じ問題を抱えている で、先日、日本の大手SIerであり
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