喫茶店でコーヒーや紅茶を注文すると一緒にソーサーもつきますが、何の意味があるのか疑問に思ったことはないでしょうか。 実は、イギリスを中心としたヨーロッパでは20世紀初期までコーヒーや紅茶をソーサーに移してから飲むという習慣がありました。当時、ヨーロッパには猫舌の人が多く、飲み物を冷ますためにソーサーに移していたと言われていますが、もちろん文化的な背景もあります。 お茶の文化が広まった17世紀ごろのヨーロッパでは、食器のほとんどがお皿でした。当時、コーヒーは取っ手がないお椀のような器で飲まれていましたが、お皿の文化が強いため、器をソーサーにのせるようになりました。その後、器からソーサーに移して飲まれるようになったため、昔のソーサーはカップと近い容量のものが主流で、底が深いものが使われていました。 日本人にはピンときませんが、コース料理で出てくるスープがカップではなく、今でもお皿で出されるよう