今年の大学入試で出題された拙文の使用許諾願いが「赤本」の教学社や受験予備校から届き始めた。昨年上梓した『流言のメディア史』(岩波新書)は多くの大学で出題された。いずれも「本文の趣旨に合致するもの」を解答させる正誤選択問題を含んでいる。例として、早稲田大学のものを挙げておこう。 ア メディア流言は、特定の時代や状況でのみ生じる1回的な現象である。 イ あいまいで煩わしい情報に向き合うことは、現代のメディアを読み解く上で必要である。 ウ AIによる評価は、正確で客観的に行われるため、社会にとって万能な選抜システムである。 エ 「輿論の世論化」とは、論理に基づく合意形成がなされず、大衆の情動的な感情や意見が主流となることをいう。 オ メディアとしてのインターネットは、情報を瞬時に伝播させることができるが、情報を制御する機能を有してはいない。 アとウがおそらく×、それ以外が〇である。受験