政府・自民党は佐賀県知事選で与党が推薦した樋渡啓祐氏(45)が敗北したことを受け、規制改革の柱と位置づける農協改革に向けた勢いがそがれることを警戒している。農協改革に反対する地元農協の政治団体「県農政協議会」が推薦した元総務官僚、山口祥義氏(49)が当選したことで、統一地方選を前に「農協を敵に回して選挙は勝てない」と受け止められかねないからだ。 【与党敗北、自民選対委員長「誠に残念だ」】 知事選では、全国農業協同組合中央会(JA全中)の権限を縮小する政府の農協改革案が争点になった。安倍政権は規制改革で農業に競争原理を取り入れ、成長産業に育成したい考えだ。政権が「岩盤規制打破」と位置付ける農協改革の成否は成長戦略全体の行方を占う試金石にもなりつつある。 樋渡氏の応援に入った菅義偉官房長官は「(農業の)6次産業化を進め、農家の所得を上げる改革を行う」と述べ、農業の改革を推進する姿勢を強調し