能登半島地震で甚大な被害が出た石川県北部の被災地で、田んぼが地割れするなど農業被害が深刻だ。「このままでは、離農する人が増える」。地元では、そんな危機感が広がっている。その背景を探ると、農業ならではの事情があった。 「田んぼのあらゆるものがダメになった。これからどうしたらよいのか」 石川県珠洲(すず)市最大の農業法人「すえひろ」に勤める政田将昭さん(49)は、ため息交じりにそう話す。 すえひろは、市内で田畑約140ヘクタール(甲子園球場36個分に相当)を耕作し、社長を含め11人のスタッフを抱える。主力の米は約115ヘクタールで栽培し、コシヒカリや地元ブランドの「能登ひかり」などを作ってきた。 だが、地震の影響で、田んぼの間を走る農道は幅30センチほどの割れ目がざっくり口を開けている。育苗施設や農業機械も損傷した。政田さんは、今春からの耕作のため予定していた資材の発注をあきらめた。
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