歴史に関するmrkmhiroshiのブックマーク (13)

  • 『世界をつくった6つの革命の物語 新・人類進化史』 グーテンベルクがインターネットの生みの親? - HONZ

    体重わずか数グラムのハチドリは、ほとんどの鳥が真似することも困難なホバリングをすることができる。空中の定位置に留まるためには、羽を打ち上げるときも打ち下げるときも揚力を発生さるような、回転可能な羽を進化させる必要がある。ハチドリがこの独特なデザインの羽を持つようになったのは、花蜜を吸うためであると考えられる。ホバリングは、花蜜を取り出すために威力を発揮し、ハチドリの小さな身体に十分な栄養をもたらすのだ。 ハチドリの羽の進化を促した花蜜は、顕花植物と昆虫の共進化の産物である。花は花粉を昆虫に運んでもらうために色やにおいを進化させ、昆虫は花からより多くの花粉を取り出して他の花に受粉させるような装備を進化させた。この植物と昆虫の共進化の果てに、高密度なエネルギーをもつ花蜜が生まれ、その花蜜を栄養源とするハチドリへと至ったのだ。 著者は、このようなイノベーションの連鎖を「ハチドリ効果」と呼ぶ。これ

    『世界をつくった6つの革命の物語 新・人類進化史』 グーテンベルクがインターネットの生みの親? - HONZ
  • 『国際秩序』 キッシンジャーが語る世界史 - HONZ

    イギリスが国民投票でEU離脱を決め、アメリカでは銃の乱射事件が頻発し、南シナ海の緊張は高まり続け、イスラム過激派は世界のあらゆる都市でテロにより多くの命を奪っている。当たり前だと思っていた秩序は、失われてしまうのだろうか。 不確実性がいやましている未来へより確実な一歩を踏み出すために、書『国際秩序』は歴史という名の道標を与えてくれる。昨日までの世界はどのような思想に基づき設計されてきたのか、人類は何を求めて争ってきたのか、異なる価値観がぶつかり合う中でどのように秩序を保とうとしてきたのか。ヨーロッパ、中東、アジア、アメリカ歴史を振り返りながら、国際秩序のこれまでとこれからが考察されていく。 著者ヘンリー・キッシンジャーは、ニクソン政権で国家安全保障問題担当大統領補佐官、フォード政権で国務長官を歴任し、国際秩序の確立を超大国アメリカの中枢から追い求めてきた。国務長官退任後も世界の指導者達

    『国際秩序』 キッシンジャーが語る世界史 - HONZ
  • 『帝国の参謀 アンドリュー・マーシャルと米国の軍事戦略』 ペンタゴンのヨーダと呼ばれた男 - HONZ

    常に裏舞台で働くことを好み、自己宣伝や世間からの注目を極端に嫌ったアンドリュー・マーシャルの名を知る者は少ない。しかし、「ペンタゴンのヨーダ」と呼ばれ40年以上にわたって政府高官としてアメリカの安全保障に貢献してきたこの男の明晰な頭脳から生み出せされた戦略からは、誰もが無縁ではいられない。マーシャルは、冷戦中のソ連がCIAの推計よりもずっと多くの軍事負担に苦しんでいることを指摘し、精密兵器や広域センサーなどの技術進化がもたらす「軍事における革命」という概念を提案し、何より多くの研究者や高官に多大な知的影響を与えることでアメリカの戦略に変革を起こし続けた。マーシャルがいなければ、世界地図は現在のものとは違ったものになっていたはずだ。 書では、これまで知られることのなかったマーシャルの「知の歴史」が、第二次大戦以降のアメリカの国防戦略の変遷とともに描かれる。マーシャルの業績の多くは未だに機密

    『帝国の参謀 アンドリュー・マーシャルと米国の軍事戦略』 ペンタゴンのヨーダと呼ばれた男 - HONZ
  • 『1493 世界を変えた大陸間の「交換」』 こうして世界は再び一つになった - HONZ

    作者:チャールズ・C. マン 翻訳:布施 由紀子 出版社:紀伊國屋書店 発売日:2016-02-25 タイトルの『1493』とは、コロンブスが新大陸から黄金の装身具やカラフルな鳥、先住民捕虜を携えてスペインへ帰国した年である。この年を境に、超大陸パンゲアが分裂してから2億年以上もの長きにわたって独自の生態系を育んだきた各大陸が、人類の手を介して再び出会うことになったのだ。コロンブス以前には、どのような生物にも大陸間を結びつけることは不可能であり、それぞれの大陸は規模の大きなガラパゴスのような状態だったともいえる。 コロンブスの大陸到達を契機として何十億年も隔てられていた生態系が急激に混ざり合う過程は「コロンブス交換」といわれる。コロンブス交換の影響の大きさは、卓にあがる料理にもあらわれている。この交換がなければ、トマトもトウモロコシもジャガイモも、アメリカ大陸を飛び出してあなたの口に入る

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  • 『ヒトとイヌがネアンデルタール人を絶滅させた』 ヒトは史上最強のインベーダー - HONZ

    書は「なぜネアンデルタール人が絶滅し、初期現世人類は絶滅しなかったのかという人類学の大問題」に、最新の研究結果と巧みな想像力で迫っていく、知的興奮に満ちた一冊である。原書である『The Invaders』は2015年3月に出版されたばかりで、著者が引用している論文はここ数年で発表されたものも多く、古人類学の知識を大幅にアップデートできる。書で描かれるネアンデルタール人の真の姿、絶滅への過程、侵入者としてのヒトとイヌの姿はこれまでの常識とは大きく異なり、驚かずにはいられない。 ネアンデルタール人絶滅という大問題には、これまでも様々な角度から解答が提出されてきた。有力だと考えられてきたものの1つは、気候変動説。ネアンデルタール人が地球上から姿を消した頃の気候は非常に不安定で、数百年という短い周期で温暖期と寒冷期をいったりきたりしていた。しかし、気候変動だけでは、説得力ある説明にはならない。

    『ヒトとイヌがネアンデルタール人を絶滅させた』 ヒトは史上最強のインベーダー - HONZ
  • 『〈お受験〉の歴史学 選択される私立小学校 選抜される親と子』 私立小学校を知れば日本の教育が見えてくる - HONZ

    町内に信号機が1つもない地方で生まれ育ったわたしは、お受験(小学校受験)には縁がなかった。学力・経済面の問題以前に、近隣に私立小学校が存在しなかったのだ。母校の小学校も廃校になるほどの過疎地域だからかと思っていたのだが、著者も大学に入るまで私立小学校出身者に会ったことがなかったという。私立小学校が身近な存在ではない、というのはそれほど珍しい体験ではないようだ。それもそのはず、私立小学校は学校数・児童数ともに全小学校の約1%を占めるに過ぎず、その少ない数も関東・近畿に集中している。秋田、香川や熊などのように私立小学校が1校も存在しない県は11にもなるのだ。 このように稀な存在である私立小学校に着目する意味を、著者は以下のように述べる。 日教育や社会の問題を考えるうえで、私立小学校こそ「教育のフロントランナー(先駆者)」あるいは、「現代日社会を象徴する鏡」であり、ややお大げさに言えば、

    『〈お受験〉の歴史学 選択される私立小学校 選抜される親と子』 私立小学校を知れば日本の教育が見えてくる - HONZ
  • 『暴力の人類史』 人類史上もっとも平和な時代 - HONZ

    テロ、紛争、無差別殺人。世界は悲劇的なニュースで溢れている。人類は自らの手でその未来を閉ざしてしまうのではないか、と不安になる。ところが、著者スティーブン・ピンカーは大胆にもこう主張する。 長い歳月のあいだに人間の暴力は減少し、今日、私たちは人類が地上に出現して以来、最も平和な時代に暮らしているかもしれない にわかに信じがたいこの説を検証し、読者に確信させるためにピンカーは、人類の暴力の歴史を大量の統計データとともに振り返る。書が上下で1,300ページ超という並外れたボリュームで膨大な文献を引用しているのは、並外れた説の主張にはそれに見合った証拠を提出する必要があるからだ。しかし、ピンカーが「統計のない物語が盲目であるとするならば、物語のない統計は空疎である」と語るように、書はデータばかりが延々と続く退屈なものではない。持続的な暴力減少を示す圧倒的な事実の積み重ねとそのメカニズムに対す

    『暴力の人類史』 人類史上もっとも平和な時代 - HONZ
  • 『恋する文化人類学者』 人は文化人類学者に生まれるのではない、文化人類学者になるのだ - HONZ

    始まりは騒々しい街中。子どもの泣き声に夫婦喧嘩の嬌声、欲をそそる鍋を振る音。息遣いを生々しく感じさせるこの街の騒音が、男は無性に好きだった。突然、音に溢れるこの街に、ひときわ大きな太鼓のリズムが鳴り響く。音の源へ急いだ男の目は一人の少女の踊りに奪われた。その舞は、これまでに見たどんなものよりも激しく、華麗だった。衝撃的な出会いから男と少女の間に恋が芽生えるまで、それほどの時間はかからなかった。後にこの少女は男のとなる。 奇跡的な出会いからの恋愛、多くのハードルを乗り越えての結婚だけでも十分に劇的だが、この少女は後にその歌と踊りで国民的スターとなるというのだから話題には事欠かない。ドラマになりそうな要素満載の筋書きだが、書のストーリーは日で放映されるようなドラマとは異なる点が多い。先ず、彼らが出会った街は東京でも、ましてやパリやニューヨークでもなく、コート・ジヴォワールの大都市アビジ

    『恋する文化人類学者』 人は文化人類学者に生まれるのではない、文化人類学者になるのだ - HONZ
  • 『インダス文明の謎』 大河文明ではないインダス - HONZ

    世界四大文明といえば? 義務教育時代の記憶を掘り起こせば、センター試験で地理を選択した理系の私でも、エジプト文明、メソポタミア文明、黄河文明、そしてインダス文明の名を辛うじてあげられる。この“四大”文明というくくり方には様々な異論もあるようだが(2009年出版の『もういちど読む山川世界史』にも「四大文明」という表現はみられない)、大河に支えられて発達した初期文明としてこれらを認識している方は多いはずだ。 それでは、インダス文明について何か具体的にイメージできるものはあるだろうか。モヘンジョダロ、ハラッパー遺跡以外になにも思いつかなくても無理はない。下の数字はGoogle検索によるヒット件数(2013年11月10日現在)だが、インダス文明は四大文明の中で最低の数字を示す、日人にとって最もマイナーな存在といえるからだ。 エジプト文明:1,930,000 黄河文明:512,000 メソポタミア

    『インダス文明の謎』 大河文明ではないインダス - HONZ
  • 『シャルル・ドゴール』 乱世の英雄 - HONZ

    どれほどの絶望を、乗り越えなければならなかったのか。 第一次大戦中に捕虜として拘禁された収容所から脱走を試みること6回。その全てが失敗に終わった。ナチス占領下のフランスを離れイギリスで行っていたレジスタンス活動のために反逆者と呼ばれ、祖国から死刑判決を言い渡された。起死回生を期した軍事作戦の失敗で英首相チャーチルの信頼を失い、自ら命を絶つことすら考えた。 普通の神経なら、並みの人生なら、1つだけでも立ち直れなくなるほどの失敗を何度も乗り越え、彼は2度祖国を救った。そして、フランスの英雄となった。 シャルル・ドゴール。その名はフランスの国際空港から広場、果ては原子力空母にまで刻まれる。2010年の調査でも、フランス人の70%がこの男を「フランスで最も重要な歴史人物」として挙げたという。国民投票での敗北によりその政治生命に終止符を打ったドゴールが、なぜ今でもこれほど支持されているのか。「ドゴー

    『シャルル・ドゴール』 乱世の英雄 - HONZ
  • 『一四一七年、その一冊がすべてを変えた』 なぜ、ルネサンスが起きたのか? - HONZ

    書の主役である「すべてを変えた一冊」とは、地球が世界の中心ではないことを明らかにしたガリレオの『天文対話』でも、生命に進化という概念をもたらしたダーウィンの『種の起源』でもない。暗黒の中世に別れを告げ、大航海時代を迎えようとしていた1417年のヨーロッパで、その一冊は1人のブックハンターの手によって発見された。 その一冊とは、紀元前1世紀頃に著された『物の質について』である。詩人であり、哲学者であったルクレティウスの手によるこのは、古代ローマの同時代人にも受け入れられることなく、時の経過とともに忘れ去られていく。そのため、15世紀初めの頃には『物の質について』は写の一冊も見つけられない幻の書となっていた。このが発見されなければ、ルネサンスの起こりはもっと遅れていたかもしれない。このの価値に気づき、その内容を広めようとする人がいなければ、近代の姿は今とは大きく異なるものとなって

    『一四一七年、その一冊がすべてを変えた』 なぜ、ルネサンスが起きたのか? - HONZ
  • 『裁判百年史ものがたり』 日本をつくった12の事件 - HONZ

    1891年5月11日、2週間前に長崎港から来日したロシア皇太子のニコライは、鹿児島、神戸、京都を経て大津にやって来た。昼をすませた彼は心地よく人力車に揺られながら、今夜の芸妓との楽しい時間に想いをめぐらしていた。少しずつ、だが確実に、死の危険に近づいていることも知らずに。 異国の皇太子目当てに詰めかけた人の群れの中に、鬼の形相でニコライを睨みつける男がいた。その男とは、滋賀県巡査の津田三蔵。ニコライを警備するために大津まで来ていた津田は、職務のことなど完全に忘れていた。このときの津田は、怒りと妄想に支配されていたからだ。もはや正気とは呼べない津田の脳内を、危険な言葉が駆け巡る。 「なぜニコライは真っ先に天皇陛下にご挨拶へ行かないのか?あまりに無礼だ!」 「これは親善目的の来日ではなく、日侵略のための偵察なのではないか?」 手の届く距離にまでニコライが近づいたとき、彼は腰のサーベルを抜き

    『裁判百年史ものがたり』 日本をつくった12の事件 - HONZ
  • 『文明と戦争』 宿命としての戦争 - HONZ

    人類200万年の「戦争の謎」のほとんどに答えを出そうとする野心的な書は、上下巻合わせて996ページ、総重量1.2kg、翻訳者13名、そして7,560円という規格外のボリュームである。全17章から成る書は3部構成となっており、それぞれが「戦争は人の能か、それとも文明による発明か?」、「戦争と文明の発展はどのように相互作用したのか?」、そして「近代化は戦争をどのように変質させたのか?」を主題として、戦争にまつわる多くの謎に光を当てていく。 そのボリュームに比例して、書の考察対象は途方も無く広いものとなっている。時間軸で見れば、武器すら持たない狩猟採集民時代から核・生物兵器によるテロの恐怖に怯える現代まで、地理的に見れば、先史時代の手がかりを残すオセアニアや南北アメリカから世界の覇権争いを主導したユーラシア大陸まで、学問領域を見れば、人類の能を辿る人類学から制度と現象の因果関係を考察す

    『文明と戦争』 宿命としての戦争 - HONZ
    mrkmhiroshi
    mrkmhiroshi 2012/08/22
    上巻の第一部だけでも是非
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