新型ロケット「イプシロン」初号機が27日、鹿児島県肝付(きもつき)町の宇宙航空研究開発機構(JAXA)内之浦宇宙空間観測所で発射態勢に入ったが、午後1時45分の予定時刻を過ぎても打ち上がらず、同日の打ち上げは中止された。 JAXAによると、打ち上げの19秒前に異常が検知され、コンピューターがカウントダウンを停止した。機体の姿勢異常が原因としている。機体は発射台に設置されたままの状態になっている。 この日は早朝から機体や地上設備の点検作業を進め、異常がないことを確認して最終カウントダウンを始めていた。今後の予定は明らかになっていない。 イプシロンは3段式の小型ロケットで全長約24メートル。JAXAが約200億円で開発した。低コストと効率性が特徴で、H2Aの固体ロケットブースターやM5の技術を転用して開発費を抑える一方、IT(情報技術)の活用で打ち上げの管制業務を簡素化していた。