私、ライターの榎並紀行は20代のほとんどを東京の四谷で過ごした。JR四ツ谷駅から徒歩5分の会社に10年勤めたのだが、仕事がへたくそだったので土日出勤も多く、ひどいときには1年365日のうち315日くらいは四谷にいたと思う。 激務でやさぐれまくった心を癒やしてくれたのは、食である。 四谷界隈には、そこにしかないスペシャルな名店が本当に多かったのだ。おかげでぶくぶく太ってしまったが、うまいメシに慰められつつひたすら働いたおかげで、仕事はそこそこできるようになった。 会社を辞めてからは(当時のブラックな日々がよぎり涙がこぼれるため)久しく四谷を訪れてなかったが、今日は7年ぶりに当時よく通っていたお店を巡ってみたいと思う。あの店やあの店は、果たしてまだ健在なのだろうか? 1.じんわり励ましてくれた優しい味のラーメン「支那そば屋 こうや」 支那そば屋「こうや」は、当時最も通い詰めたお店だ。週2以上は