SELinuxをどう設定・運用していくのかの前提知識として、SELinuxの機能と仕組みの理解が欠かせません。SELinuxの主な機能は表1の通りです。 TEがプロセスごとに最小限の権限を割り当て、MCSは仮想化環境の分離に使われます。RBACは、ログインユーザーの権限を分ける機能で、例えばDB管理専門のユーザーを作れます。MLSは、軍事向けで、リソースにレベルを付け、その上下関係でアクセスを制御します。監査ログは、SELinuxの設定時や攻撃された場合の分析などに用いられます。Userland AVCは、アプリケーション独自のパーミッション(例:携帯電話の電話帳アクセス権限など)を、SELinuxでチェックできるようにする機能です。 今回は、LinuxサーバーでSELinuxを使っていく上で重要な機能となる「TE」と「MCS」を図解します。 最小限の権限を割り当てるTE プロセスごとに最