やっと、本来の番長が戻ってきた。 7月13日のヤクルト戦、5回1失点で今季初勝利を手にしたDeNAの三浦大輔は、お立ち台でそれまでのうっぷんを晴らすように、ファンに向かって「お待たせしました!」と声高らかに叫んだ。 この勝利は史上4人目となる22年連続勝利という快挙でもあったが、三浦にとってそれは誇りではあるものの、23年間の現役生活で積み重ねてきた結果でしかない。 「ひとつ勝つ大きさを改めて感じましたよ」。三浦は偉大な記録よりも、目の前の1勝を素直に喜ぶ。そんな男である。 このヤクルト戦以降、三浦は勢いに乗った。 7月27日の同カードで8回1失点、8月7日には1失点の完投で、チーム8年ぶりの巨人戦3連勝をアシストした。そして8月14日の中日戦でも7回無失点で目下4連勝。しかも、この間の防御率が0.62と、圧倒的なパフォーマンスを見せているのだ。 三浦らしい、ランナーを背負ってからの粘り強