近年のAI技術の進展はめざましいものがあるが,今後益々,AI技術の人・組織・社会への関わりが大きくなっていくことを考えれば,従来型の論文査読基準だけではなく,新たな論文査読基準の整備が必要になってきているといえる.すなわち,通常,学術論文は,新規性,有用性,信頼性などの観点から査読され,従来の論文査読では,要素技術の新規性を重視していた傾向があったが,インテリジェンスをシステムとして有用に組み上げる側面を積極的に評価する査読基準が必要になってきたといえる.具体的には,既存技術の有用な組合せ方,問題に即した既存技術の有効な使い方,有用なツールの開発,面白いアプリケーションの開発,既存技術の効果的な実現法,AIシステムが有効に働く環境の分析など,これらの知見は,会員にとってより実践的なノウハウとして有用になるであろう.以上の趣旨から,本論文特集では,特定のトピックに限定することなく,幅広くAI