電解質のすべてに固体材料を用いた電気自動車(EV)向けの全固体電池もしくは、液体材料と固体材料を組み合わせた半固体電池の本格量産が間近に迫ってきた(図1)。 清陶能源が開発した、ファイバー状または顆粒状の酸化物粉末(a)と樹脂による複合型固体電解質膜(b)。116Ahの大型セルで重量エネルギー密度368Wh/kgを達成したとする。ProLogiumはEV向けバイポーラー型全固体電池(c)のほか、Gogoroと組んで二輪用の交換式電池(d)も試作した。SESが開発した107Ahと大容量の半固体電池セル(e)。負極側電解質は固体だが、正極側は液体電解質を用いている。Factorial Energyが試作した40Ahのセル(f)。充放電サイクル寿命が推定で5700回と長い。(写真:各社) これまで製品化されている全固体電池はほとんどが民生機器向け、あるいは電子回路基板に載せるような小容量品だった