祖父が亡くなって2か月が過ぎた。連れ合いの祖母は認知症を患っており、もう自宅へ戻ることはない。 母と共に残された家を訪れ、2泊3日で遺品整理を手伝うことにした。 名古屋はゴミの分別がやかましい。分別に迷うもの、捨てていいのか判断できないものは後回しにして、だれが見ても不要品とわかるものを選別しどんどん袋に詰めていった。 この家ではなにもかもが祖父母の手で仕分けされ、丁寧に保管されている。スーパーのビニール袋、古びたタオル、賞味期限が切れた調味料や保存食品。サプリメントの空き箱など同じ種類の物が山ほどあった。 食べ終わったプリンカップの山なんて、一体何に使うつもりだったんだろう? ヘルシーリセッタなどの料理用油も未開封のものがあちこちから出てきた。やかんは大小取り合わせて3つ4つ。炊飯釜や鍋も数えきれないほどある。 以前、森博嗣先生の『相田家のグッドバイ Running in the Blo
