「待庵にみる境地」 wrote 97-6-24 かつて、高校生の頃、千利休についての文章を読み漁っていた時、 京都の山崎にある待庵の解釈が二通りあることを知った。 待庵は千利休が造った茶室で唯一現代に残っているものと言われている 建物で、国宝とされているものである。 私が知る解釈とは栗田勇と 今、工繊の名誉教授をされている中村昌生の二人のものである。 栗田勇といえば、もともとマラルメやランボオの研究をしていた仏文学者で、 しかし、白井晟一との親交や著作に「我がガウディ」などもあり 建築にも多くの知識を持つ、日本文化の第一人者的な人である。 そして、中村昌生先生は、茶室の研究で日本で第一人者である。 もちろん、それは研究の分野であって、純粋に茶室だけを語れば、 おそらく千宗室(裏千家の家元)の方がよく語るに違いない。 待庵を栗田勇は狭いといい、中村昌生は広いという。 中村昌生の”茶匠と建築