世界中からの観光客たちが年末に「密集」していたタイムズスクエア広場が今、静けさに包まれている。 3月22日に外出禁止令が出てから3週間あまりが過ぎた米ニューヨーク市。路上から人影が消え、空き店舗が目立ち始めた。新型コロナウイルス感染による死者数が市内で17日までに1万人を超え、現在も予断を許さない状況だ。全米の死者数 3万1千人の3分の1が集中する世界最大の“コロナ危機”の最前線で、ロックダウン(都市封鎖)後に人々の生活はどう変わったのか。現地から報告する。 ●ロックダウン前夜「崩壊」の実感なく 募る不信感 「コロナなんて怖くないし、パンデミックも信じない」。外出禁止令が出る直前、そんな言葉を耳にした。 3月18日、地下鉄でタイムズスクエアへ行った時のことだ。昨年末に大勢の人出で身動きできないほど混雑していた広場から、この時はすでに人も車も消えていた。暇を持て余している着ぐるみのキャラクタ