【ワシントン=行方史郎】米航空宇宙局(NASA)は9日、過去の地球観測衛星によるデータから、東南極で2010年8月10日に史上最低となる零下93・2℃が記録されていたと発表した。 これまで地球上で最も低いとされる気温は、南極にあるロシア・ボストーク基地で1983年に観測された零下89・2℃。AP通信によれば、今回は地上の温度計で観測された気温ではないため、ギネス世界記録への登録は難しそうだという。 最低気温を観測したのは日本の南極観測基地のある「ドームふじ」(標高約3800メートル)と、「ドームアーガス」(標高約4千メートル)と呼ばれる地点の中間。NASAと米地質調査所(USGS)のチームが人工衛星ランドサットなど過去約30年間分の気象観測データを見直して特定した。 一方、人間が暮らす地域ではロシア・オイミャコン村で1933年に観測された零下67・8℃が最低とされる。