被災者の切実な声が届くのか。それとも風評被害を増すのだろうか。漫画「美味しんぼ」が物議を醸している。何事にせよ、問題提起は必要だ。だがその表現には、もちろん思いやりも欠かせない。 「美味しんぼ」は一九八三年から週刊漫画誌上で連載されており、昨今のグルメブームの発信源とされている。東日本大震災後は、被災地を取り巻く食の問題などにほぼ的を絞って、問題提起を続けてきた。
九日投開票された東京都知事選で、原発「即ゼロ」を訴えた前日本弁護士連合会長の宇都宮健児氏(67)、元首相の細川護熙氏(76)の合計得票は約百九十三万八千票となった。初当選した元厚生労働相の舛添要一氏(65)の得票数に十七万票差に迫り、ほぼ拮抗(きっこう)した。原発再稼働に前向きな安倍政権に「待った」をかけたい民意が意地を示した形だ。 都選管が十日未明に発表した投票率の確定値は46・14%で、衆院選と同日になった前回二〇一二年十二月より16・46ポイントの大幅減。開票作業が進む中で墨田、品川両区で不在者投票数を二重計上するミスが見つかるなどしたため、当初発表値を訂正した。 元厚労相の舛添氏には少子高齢化など身近な暮らしの課題解決への期待が大きく、支援を受ける自民、公明両党の組織票を積み重ね、二位の宇都宮氏に百十三万票差をつけた。原発政策をめぐっては、再生可能エネルギー活用を進め原発依存度を
トップ > 特集・連載 > 言わねばならないこと > 記事一覧 > 記事 【言わねばならないこと】 (2)弱さつけ込む恐怖 劇作家・平田オリザ氏 Tweet 2013年12月16日 人間というのは弱い生き物であり、特定秘密保護法はその弱さにつけ込むものだ。 官僚にも志の高い人はいる。国民のために政府の秘密を暴こうと思うこともあるだろう。でも彼らには家族も友人もいる。懲役十年が頭にちらつけば、周りへの迷惑を恐れて行動が鈍ってしまう。周囲の雰囲気にも流される。官僚に無言の圧力をかけるのが怖い。 この法律は市民を監視する公安警察の権力を拡大する作りにもなっている。私は軍事独裁政権時代の韓国に留学していたとき、デモ隊の横を歩いただけで警察官に呼び止められ、有無を言わせず身分証明書を要求された。恐怖を肌で感じた。日本もそうなっていくのではないか。 即座に生活に影響は出なくても、無言の圧力によって、気
震災遺児たちの心をケアする場所を提供したいとレインボーハウス建設を引き受けた伊東一正さん。後方は仮設小屋=岩手県陸前高田市で 東日本大震災の遺児の心を癒やすため、あしなが育英会が岩手、宮城、福島三県の五カ所に計画する「レインボーハウス」の建設が建設資材の高騰や作業員不足のため難航している。そんな中、岩手県陸前高田市の計画だけは、被災した地元業者が「心意気」で引き受け、今年のクリスマスまでの完成を目指す。 (鈴木龍司) レインボーハウスは、同じ悲しみを抱える遺児が一緒に語り合ったり遊んだりしながら、自然な形で体験を共有する施設。専門の訓練を積んだボランティアが聞き役になる。阪神大震災の遺児のため一九九九年に建設されたのが始まりだ。 陸前高田市で建設を請け負ったのは「伊東組」。社長の伊東一正さん(49)は「俺たちに心のケアはできねえ。だからこそ地元の建築のプロとして、建物だけは造ってやらねえと
野田内閣が「二〇三〇年代に原発稼働ゼロ」を目指す戦略の閣議決定の是非を判断する直前、米政府側が閣議決定を見送るよう要求していたことが二十一日、政府内部への取材で分かった。米高官は日本側による事前説明の場で「法律にしたり、閣議決定して政策をしばり、見直せなくなることを懸念する」と述べ、将来の内閣を含めて日本が原発稼働ゼロの戦略を変える余地を残すよう求めていた。 政府は「革新的エネルギー・環境(エネ環)戦略」の決定が大詰めを迎えた九月初め以降、在米日本大使館や、訪米した大串博志内閣府政務官、長島昭久首相補佐官らが戦略の内容説明を米側に繰り返した。 十四日の会談で、米高官の国家安全保障会議(NSC)のフロマン補佐官はエネ環戦略を閣議決定することを「懸念する」と表明。この時点では、大串氏は「エネ戦略は閣議決定したい」と説明したという。 さらに米側は「二〇三〇年代」という期限を設けた目標も問題視した
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