(前回から読む) 13日、米大手格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がユーロ圏9カ国の国債格付けを引き下げた。フランスが「トリプルA」の座からすべり落ちたことが欧州危機の深刻さをより印象付けた。いま再び「格付け」への関心が高まっている。 世界経済の行方を左右する格付けとは何なのか。これまで本コラムで紹介してきたその役割を、今回も歴史を紐解きながら整理しよう。 格付け会社の短い春 格付け会社が我が世の春を謳歌した時期は、短かったが確かにあった。儲からない企業格付けビジネスに汲々としていた時代、その困難を乗り越えるために投資家だけではなく発行体からも手数料を徴収するという利益相反の“毒薬”を飲んで以降、確かに格付けビジネスの収益性は改善の方向に向かった。 だが、これだけでは春を迎えるのにはまだ遠い。格付け会社の成長は、ちょうどその頃に起こった“三つの追い風”により確たるものとなっ
![格付け依存で緩んだ証券化市場の規律:日経ビジネスオンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/05f492a9ba706b05ca8fd61b1840b099fb59fdc9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkeibp.co.jp%2Fimages%2Fn%2Fnbo%2F2011%2Fcommon%2Fnbologo_ogimage.png)