07年に国営遊園地でディズニーキャラクターの盗用疑惑が発覚し、米ディズニー社の抗議を受けた中国。今秋、北京を訪ねると、今なお「偽物」は健在だった。相次ぐ被害に「きりがない」とあきれるディズニー社だが、15年の上海ディズニーランド開業を控えて、中国でのイメージ戦略は重要だ。多少の“パクリ”には目をつぶり、大手企業との提携を進めるなど「本物」の浸透に力を入れている。【北京で秋山信一】 ミッキーマウスの「偽物」は10月下旬、観光客でにぎわう北京五輪のメーンスタジアム「鳥の巣」近くの路上で見かけた。軽妙な足取りで記者に近づき、手ぶりで写真撮影を持ちかけてきた。撮影後に「謝謝」と言うと、無言で右手を差し出す。左手には10元(約120円)札を握っている。通訳の劉叡さん(24)は「あれはない」とあきれ顔だった。近くにはミニーマウスやドナルドダックの「偽物」もいて、観光客に愛嬌(あいきょう)を振りまいてい