古賀章彦 霊長類研究所 教授、久川智恵美 わんぱーくこうちアニマルランド 飼育係長、吉澤未来 同園長の研究グループは、シャム猫のような独特な体色に変化したマントヒヒについて、色素合成に関わる遺伝子に生じている変化を同定しました。 わんぱーくこうちアニマルランド(高知県高知市)で1994年に誕生したマントヒヒ「シーマ」は、誕生時点では身体全体が真っ白でしたが、2歳頃から部分的に色が着きはじめ、大人になった現在では、シャム猫のように手足の先と尾が灰色で、顔にも少し着色があります。シャム猫の体色は、メラニン合成を担う酵素チロシナーゼを作る遺伝子の変異が原因です。そのため、本研究グループは、シーマのチロシナーゼ遺伝子の塩基配列を解析し、通常の体色を持つマントヒヒと比較しました。 その結果、シーマはチロシナーゼ遺伝子に変異があり、そのためチロシナーゼの365番目のアミノ酸が、アラニンからトレオニンに