7割前後の高い内閣支持率という順風を受けて昨年9月16日に出帆した鳩山由紀夫首相は、政権発足からわずか8カ月半で退陣に追い込まれた。閣僚経験が全くなく、野党として政権与党を批判することに専念していた首相は、国家のかじ取りとの「未知との遭遇」にふらつき続け、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題や自らの「政治とカネ」の問題で押しつぶされた。 「失敗もあるだろうが、国民の皆さんにはご寛容を願いたい。ある意味で未知との遭遇で、経験のない世界に飛び込む。辛抱強く新しい政権をお育て願いたい」 首相は就任記者会見で訴えた。このときすでに、国民に対する「甘え」が示されていた。 国民は、「政治主導」「脱官僚依存」「友愛外交」「命を守りたい」といったスローガンを連発する「宇宙人」との遭遇を政権発足当初こそ歓迎したが、信念や実行力が伴わないことに嫌気を感じ、産経新聞社とFNN(フジニュースネッ