石原慎太郎東京都知事が知事を辞職し、新党を結成した上で国政に転じる意向を表明した。 石原氏は占領下に制定された現行憲法を「解決しなければならない主要矛盾」と指摘し、新しい憲法を作るべきだと訴えた。官僚制の打破とともに、憲法改正を次期総選挙の最大の争点に据えて戦う意思を強調した。 現在の政治の閉塞(へいそく)状況を転換しようとする石原氏の行動を高く評価したい。氏が投じる一石は、新たな政治状況をダイナミックに創出する意味を持ち、憲法改正を求める保守勢力を結集する重要な核となり得るからだ。 ≪権利義務の均衡を欠く≫ 野田佳彦首相も「私は新憲法制定論者」と自著で語っていた。石原新党を機に、国家的課題の解決に向けて、衆院の年内解散・総選挙を速やかに決断するときだ。 石原氏は現行憲法の矛盾点として、国民の意識に絶対平和という共同幻想を植え付け、権利と義務のバランスを失した「権利偏重」の規定が「日本人に