30周年記念のベスト盤『All Time Best Album THE FIGHTING MAN 』には30曲が収録されている。単純に計算すると、1年に1曲ずつという狭き門だ。名曲、名演奏が並んでいるのはもちろんだが、人間で言うところの“人生”みたいな“バンド生”の流れも浮き彫りになってくる。彼らは節目節目で名曲を生み出してきた。時には歌が突破口になったり、起爆剤になったり、旗印のようなものであったり。夜空の星をたよりに航海する旅人に例えるならば、エレファントカシマシにとって、楽曲は夜空に輝く星々のような存在でもあるのではないだろうか。そしてそれらが放つ光はリスナーをも照らしてきたと思うのだ。宮本浩次(Vo/G)による選曲、曲順になっていて、ベスト盤ではあるのだが、オリジナル作品にも通じる肌触りと不思議な調和がある。このベストについて、さらにバンドの30年について、宮本に聞いていく。——こ