東日本大震災から1年、この間、BCP(事業継続計画)についても様々な検証が行われてきたが、まだ十分に検証されていない点がある。それは「人」に関わることである。情報システムであれば、データセンター内のシステムは無事、電力も確保したが、システム運用担当者はいずこ、という話だ。 これは従業員の安否確認のことではない。全員の無事が確認できたとしても、その人たちが会社に駆けつけられるとは限らない。自分が住む地域が大きな被害を受けたら、彼らは救援活動をするか、会社へ行くかの判断を迫られる。そしてよほどのことが無い限り、救援活動を選ぶ。隣のおばあちゃんが行方不明なのに、あるいは避難所でほかの人が被災者救援に走り回っているのに、自分だけ会社へ行くことなどあり得ないだろう。 実際に東日本大震災の際、仙台に本社を置くアイリスオーヤマはそんな事態に直面した。様々なメディアに取り上げられた有名な話だが、従業員は本