総務省 学術雑誌『情報通信政策研究』 第 2 巻第 2 号 Journal of Information and Communications Policy Vol.2 No.2 Ⅱ-1 論文(査読付) オンライン広告におけるトラッキングの現状とその法的考察 ―ビッグデータ時代のプライバシー問題にどう対応すべきか 若江雅子 1、森亮二 2、吉井英樹 3 要 旨 インターネット広告の重要性が増している。その広告費(媒体費+制作費)は 2007 年 の 6,003 億円から 2017 年には 1 兆 5,094 億円に増え、新聞広告の 5,147 億円の 3 倍、テ レビメディアの 1 兆 9,478 億円にも迫る勢いである 4。その強みは、ウェブの利用履歴か ら利用者一人ひとりの趣味嗜好・性別・年齢・居住地などに関する情報を取得し、それに 沿った広告を表示できることにあるだろう。興味関心連動