ピンポーンとチャイムが鳴った。 「こんにちはーっ、毎度お馴染みの宅配便ですよーっ」 えっと、何かポチったっけ? とりあえず、引き出しからシャチハタを探し出すと、戸口へ急いだ。 「はいはいっ、いま行きます」 ドアを開けると、やたらと大きな荷物が目に飛び込んできた。 「なんですか、これ?」わたしは思わず聞いてしまった。 「さあ、何でしょうねぇ。うちはただ、お届けに上がっただけですから」 ごもっとも。 受け取り証にハンコを押すと、配達員に手伝ってもらいながら、荷物を中へ運び入れる。 包みを解くと、ふすまほどもある大きな絵本が現れた。 「まるで巨人の本だよ……」自分が小人にでもなったような気がしてくる。 タイトルは「いもほり名人、南の都に行く」。表紙には、どことなく間の抜けた人物が芋を入れる篭を背負って、黄色いレンガの道をのんきに歩いていく姿が描かれていた。 ページをめくってみる。これはなかなか大
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