人生の機微を軽妙に語る小説やエッセーなどを数多く残し、おととし91歳で亡くなった作家の田辺聖子さんが、終戦の日を迎えた心境などを克明につづった学生時代の日記が見つかりました。「軍国少女」の一面がうかがえる一方で、戦争に振り回される境遇に対する率直な思いも記されています。 戦後、長年にわたって作家活動を続け、文化勲章を受章した田辺聖子さんは、人生の機微を軽妙に語る小説や、辛辣(しんらつ)な批評をユーモアあふれる大阪弁で語ったエッセーなどを数多く発表して人気を集めましたが、おととし6月、91歳で亡くなりました。 日記は兵庫県伊丹市の田辺さんの自宅で見つかり、10代の後半、当時の樟蔭女子専門学校に通っていた昭和20年4月から昭和22年3月にかけての出来事などが1冊のノートにつづられています。