小林信彦がNHKがあるあたりを、かつて国木田独歩が「武蔵野」に書いたのだと、隔世の感をこめて語っていたのだが、残念なことに(?)、私が歩いたのは日曜の夕暮れで、その寂しさはなかなかのもので、小林とは反対に、「ここがかつての武蔵野の舞台だって? さもありなん」と思ったのだった。代々木の競技場に抜けると、なにかバンドのライブがあるらしく人がごったがえしていて、そのあまりの対比にめまいがするようだった。 文化村通りに並ぶビルは、どれも10階にぎりぎり行かないようになっているらしく、なんでだろうと思っていたが、文化村通りが狭いためであろうか。