2011年4月30日のブックマーク (3件)

  • 名辞と実質 - 柳田威生blog

    「大正生命主義」という名称に顕著だが、鈴木貞美はわりと用語法がざっくりとしていて、たとえば過去に存在した「大正生命」という保険会社のことを知ってか知らずか、こういう名付け方をするのである(鈴木の文献を参照していないので、このことはすでに鈴木人が言及しているかもしれない)。私が、何だこれは、と思ったというのは、そういう意味からでもある。うまいたとえが浮かばないが、柔軟な経営方針をとる銀行のことを「ソフトバンク主義」と呼ぶようなものである。 「大正期の生命力思想」とでも名付ければ、そんなに奇異な感じはしないのだが。あるいは「大正期の思想における生命力モチーフ」とか。 小谷野さんは、たぶん実質としての純文学と通俗文学の区分を話題にしようとして、しかし実例を挙げていくといろいろと例外がでてきてしまうので、自分の実感に確信をもちつつも行論がすっきりまとまらないでいる。そのように見えるのだが。 概念

    名辞と実質 - 柳田威生blog
    muimimuimi
    muimimuimi 2011/04/30
    「ソフトバンク主義」に笑った
  • 生物と生命 - 柳田威生blog

    鈴木貞美の著作歴を調べているときから、「大正生命主義」という語に異様さを感じて、何だこれは、などと思っていたのだが、『日文ナ』の、いよいよ当該項目にさしかかってきた。 少し前に、鈴木とまったく関係のない文脈で、私は「私は生物には関心があるが、生命には興味がない」と書いていて、すこし、にやにやしながら読み進むのである。 ちなみに、私は西田幾多郎を、身近に「きたろう」という名の知人がいないせいもあって(しかもややこしいことに、きたろうという俳優がいる)、「ゲゲゲの鬼太郎に似た名前の人だな」としか思ったことがない。社会科の教科書か資料集にあった肖像写真も、なんだか水木マンガ的な面構えに感じたものだ。

    生物と生命 - 柳田威生blog
  • 和田はつ子の小説 - 柳田威生blog

    よく調べてないのだが、角川ホラー文庫のほうで活躍してから、時代小説の方に進まれているのだろうか。先だって匿名子がくさした文言を小谷野さんが面白がって言及した作家の小説を、どれどれと買ってみたのである。とはいえ、百均コーナーで旧作の『マインド・コントロール 心理分析官加山知子の事件簿』(角川ホラー文庫)を選んだのだが。 小説作法として「説明するな描写せよ」というのがあるらしいことをむかし筒井康隆のエッセイで読んだが、この作家は、地の文でも登場人物のセリフでも、ばんばん説明口調で話を進めていっていて、私はけっこうこういうのは好きな方である。主人公が同僚刑事たちに快楽殺人犯と強姦魔の違いについて講釈するのだが、そのセリフが笑ってしまう。「相手の首を絞めながらインサートすると、たまらない絶頂感があった、だからやらずにはいられなかったと告白したのは、戦後すぐの焦土に出現し、十人以上の若い女性を殺した

    和田はつ子の小説 - 柳田威生blog
    muimimuimi
    muimimuimi 2011/04/30
    饒舌に説明する。おもしろい。