女性が迷い込んだ湯俣川源流。左の鞍部(あんぶ)に双六小屋がある。右のピークが三俣蓮華岳。女性は稜線(りょうせん)の真ん中付近から左に下りる樅沢を下ったと見られる=鷲羽岳から 北アルプスで行方不明になった東京都江東区の女性会社員(61)が30日、無事、発見された。3泊4日の予定で出発、足取りが途絶えてから16日ぶりの救助。その生還は幸運が重なった結果だった。 ■岩陰、沢歩き一行発見 「助けて下さい」――。沢を下っていた8人パーティーの先頭を歩いていた東京都杉並区のデザイナーの男性(61)は、岩陰から顔をのぞかせて泣き声で訴える女性を見つけてびっくりした。登山道もないこんな場所に、なぜ女性が1人でいるのか、と。 発見された場所は三俣蓮華岳東面標高1700メートル付近の湯俣川の河原。かつて沢沿いに釣り橋や桟道が連続する登山道「伊藤新道」があったが、30年ほど前から通行不能になっている。水量