【斜論】 NHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」の評価が分かれている。視聴率は平均18%前後で「元気をもらっている」という声がある一方、「違和感のある描き方が多い」と歴史に詳しい人の評価は辛い。朝日放送で必殺シリーズなどを手がけた山内久司さん(現・顧問)は「NHK大河ドラマは時代劇ではなく歴史劇であってほしい」と話す。(金森三夫) まず、時代劇と歴史劇はどう違うのか。ドラマだからフィクションが含まれるのは当然だが、史実から大きく逸脱しないのを歴史劇、架空の人物や事柄が登場し史実にとらわれずに描くのを時代劇と山内さんは区別する。 たとえば、「暴れん坊将軍」で松平健がパカッパカッと音を立てて白馬を駆るのは江戸時代に金属製蹄鉄(ていてつ)はないから間違い。「水戸黄門」も水戸光圀は水戸と江戸を往復しただけで諸国へ行っておらず創作で、2作品とも時代劇だ。 昔ふうの時代劇の形を破り、現代感覚で「