年の初めは今までの悪習慣を断ち切り、新たなチャレンジをするのにいい機会です。 しかし、やろうやろうと思っていても、なかなか重い腰が上がらずに「先延ばし」してしまうことが多々あるはず。 先延ばしは誰もが経験していることですが、中でも特に「ADHD(注意欠如・多動症)」を持つ人はその傾向が強いことで知られています。 では、どうしてADHDの人に先延ばしが起こりやすいのでしょうか? ここではその理由や原因の説明に加え、ADHDの人でも先延ばしをなくすことのできる方法について見ていきます。
私たちは音や光、振動など、環境のあらゆる信号を感じるのと同様に「時間の感覚」を持ち合わせています。 ヒトの脳は内外のさまざまな情報に基づいて、今が何時で、あれからどれくらいの時間が過ぎ、次の予定まで何時間くらいあるかを、ある程度正確に把握することができます。 ところがADHD(注意欠如・多動症)やその傾向が強い人では、こうした時間認識が欠如する「時間盲(time blindness)」が現れることが知られています。 時間盲とは具体的にどのような症状なのか、またADHDの人々が時間盲を起こしてしまうのはなぜなのでしょうか? Clinical Implications of the Perception of Time in Attention Deficit Hyperactivity Disorder (ADHD): A Review https://www.ncbi.nlm.nih.go
一人一人が「名前」を持つことは、あらゆる生物の中で人間固有のものと考えられています。 しかし米コロラド州立大学(CSU)は今回、野生のアフリカゾウがお互いを名前で呼び合っている可能性が高いという驚くべき研究結果を発表しました。 これが真実であれば、人間以外で個人の名前を持つの動物の初発見となるかもしれません。 さて、ゾウたちはどのように名前を呼び合っているのでしょうか? 研究の詳細は、2023年8月27日付で査読前論文がプレプリントリポジトリ『bioRxiv』に公開されています。 African Elephants May Use Names For Each Other, A First Outside Of Humans https://www.iflscience.com/african-elephants-may-use-names-for-each-other-a-first-o
性欲の根源となる脳回路を発見性欲の根源となる脳回路を発見 / Credit:Canva . ナゾロジー編集部思春期の男子の多くはある日を境に、自分が自然と女子を目で追っていることに気が付きます。 そして遅かれ早かれ、女性をみることが性欲を搔き立てることを自覚します。 同様の現象はマウスなど人間以外の哺乳類でも観察されており、オスマウスもメスマウスを認識することで、交尾したいという欲求にスイッチが入ります。 この事実は、オスの脳内にはメスの認識を交尾の欲求に変換する認識と欲求を繋ぐシステムが存在しており、性欲の源泉となっていることを示唆しています。 しかしその仕組みが脳内のどこに存在しているかは、判明していませんでした。 そこで今回、スタンフォード大学の研究者たちは、オスマウスがメスを認識した時の脳内の様子を調査し、オスの性欲の源泉となる脳回路を特定することにしました。 調査にあたってまず、
強制的にビーガンにさせられるかもしれません。 米国のCDC(アメリカ疾病予防管理センター)はマダニに刺されることで牛や豚など哺乳類の肉や乳製品を食べられなくなる「アルファガル症候群」が増加していることを受けて、医師たちの症例にかんする知識を調査しました。 結果、調査対象となった医師のほぼ半数がアルファガル症候群について知らず、発症した場合に適切な処置を受けられない可能性が示されました。 今回はマダニに刺されるだけでなぜ「肉類」を食べられなくなるのかを解説するとともに、治療法の有無や予防策についても紹介したいと思います。 肉好きやアスリートにとって致命的となるマダニは、いったいどこに潜んでいるのでしょうか? 発表内容の詳細は2023年7月28日にCDCのホームページにて公開されました。 Health Care Provider Knowledge Regarding Alpha-gal Sy
人生の最後の瞬間は、思ったよりも騒がしいようです。 米ミシガン大学(University of Michigan)はこのほど、家族の同意のもと、助かる見込みのない4人の患者の生命維持装置を停止させ、患者たちが亡くなるまでの脳波測定を行いました。 実験の目的は患者たちに本物の臨死体験をしてもらい、脳で何が起こるかを確かめるためです。 その結果、患者たちの脳の意識や思考、記憶にかかわる脳領域において、死ぬ直前に主にガンマ波からなる「爆発的な脳活動」が起きていることが判明しました。 同様の脳活動パターンは夢や幻覚を見ているときや、幽体離脱を経験している患者たちで観察されるものと酷似していたとのこと。 そのため研究者らは、死ぬ間際の脳で起こるガンマ波のバーストが「臨死体験の正体」であると結論しています。 しかし一体なぜ、死に瀕した患者たちの脳波は突然活性化したのでしょうか? 研究内容の詳細は202
布団や洗濯物を天日干しすると、暖かく心地いい香りが漂ってくるでしょう。 よく「お日様の匂い」などと表現されますが、世間ではこれが「直射日光で死んだダニの匂いだ」という噂がまことしやかに広まっています。 しかし本当に「お日様の匂い」の正体はダニの死骸なのでしょうか? 有難いことに、デンマーク・コペンハーゲン大学(University of Copenhagen)が2020年の研究で、その答えを見つけてくれています。 この研究は2020年2月25日付で科学雑誌『Environmental Chemistry』に掲載されたものです。 Why Laundry Smells Better When Hung Outside To Dry https://www.iflscience.com/why-laundry-smells-better-when-hung-outside-to-dry-6851
日本の性の実態が最新データで明らかに!日本人の性的指向 / Credit:Canva . ナゾロジー編集部性と生殖は、世界中のあらゆる国や地域と同じく、日本でも重要な問題のはずでした。 自国民が性に対してどのような態度を持っているかを把握できなければ、少子化問題など人間の生殖(human reproduction)に介入するような政策を立てることもできません。 そのため米国では1990年代から、英国でも2000年代から、自国の人々の性や生殖にかかわる全国規模の調査が行われるようになりました。 一方、日本を含む東アジア諸国では性と生殖の研究が立ち遅れていました。 これまで行われてきた研究はほとんどが小規模のものであり、省庁によるデータ収集の対象も異性愛者に限られていました。 そこで今回、東京大学の研究者たちは日本人成人を対象にした、初の全国規模の調査を行うことにしました。 調査にあたっては2
森で死んだものの遺体を、自然はどのように処理しているのでしょうか? 東京農工大学大学院、米イリノイ大学(University of Illinois)の共同研究チームは、森林内にニホンジカの死体を設置し、どのスカベンジャー(死肉食動物)が、どれくらいの時間で発見できるか、また、死体が消失するまでにどの程度かかるかを調査。 その結果、最初に死体を発見するのは哺乳類で、特に、タヌキが最も早くシカを見つけることが明らかになりました。 嗅覚に優れた哺乳類は、死体をすばやく発見、分解することで、有害な病原菌の発生から日本の森林生態系を守っているようです。 研究の詳細は、2022年9月30日付で科学雑誌『Scientific Reports』に掲載されました。
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