【前回のあらすじ】 大入道の息子の一つ目小僧は、大入道から片目を与えられて二つ目になり、家督を譲られ、諸国化け修行に出たのですが。。。 ※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 大昔化物双紙 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション (5ページ目です) ※画像は拡大できます。 【原文】 丹波の山奥に狒々《ひゝ》と言ふ者有りて、良く人を悩まし、猪《しゝ》・狼《おゝかめ》を取り喰らひ、山を荒らしけれバ、里人これが為に悩まぬ者無し。 丹波の国の化け物大将と言ふ。 然るに、狒々が一子を山童《やまワらう》と言へり。 されども山童は化け物大将となるべき働きなけれバ、狒々 詮方《せんかた》無く、見越入道《ミこしにうだう》と言へる者を子分に頼ミ申しけるハ、 「此の度、越後の国大入道が倅《せがれ》一ッ目小僧、世を取って今入道と言へり。 彼、化け修行に出でたる