大学卒業後、東京に上京して働きはじめ、今も東京に暮らしている。 大学は地元だった。そういう制約だったのだ。 親は過保護で、いつまでも私を子ども扱いする。 窮屈で嫌だった。あれをするな、これをするな、門限は22時。 それが増田のためだから、と口癖のように言っていた。 経験したことがないんだから、あなたには分からないでしょう?って。 だから今は快適だ。東京は私に似合っていたのだと思う。 奔放で、あどけなく、それでいて妙に生真面目なところがある。 便りは減った。物理的な距離が関係性にこうも影響を与えるのだと、知ったのは大人になってからだ。 私はこの場所が、この距離感が好きだ。 東京は、私にとってのラグランジュポイントなのだ。