年間特集 大学発ベンチャーとIPO 大学発ベンチャーのための資本政策(1) ~入門編~ 2005年の株式市場をめぐる大きな話題のひとつに「会社の経営権」をあげることができる。2月に始まったライブドアとフジテレビによるニッポン放送のM&A(買収・合併)はいうに及ばず、買収対象となった場合に備えた既存株主への新株予約権発行決議(2005年3月、ニレコ)、親子会社の時価総額逆転を解消するという目的を併せ持つ持株会社設立発表(2005年4月、イトーヨーカ堂グループ)などは、企業が経営権について真剣に考え始めていることをうかがわせる。年間特集「大学発ベンチャーとIPO」の第5回目では、こうした経営権と深いかかわりを持つ「資本政策」を取り上げていく。 大学発ベンチャーは、技術力や開発力を重視する一方で、経営権や株主構成などに関する資本政策を後回しとしているケースも見受けられる。ただ、戦略的な資本政策の