サクラソウ(写真)は春先に咲く花です。ぼくが小学生のときは、どこでも普通に見ることができた花ですが、最近では花屋さんでしか見られないほどになりました。絶滅危惧植物に指定されています。 なぜ絶滅寸前になってしまったのか。サクラソウの生態に関する研究は進んでおり、大体その理由は解明されています。 サクラソウは、萼(がく)から花びらまでの部分(花筒)が長くなっています。普通のハチやチョウは、蜜を吸うことができません。ところが驚いたことに、トラマルハナバチ(写真)の口は細長く、サクラソウの花筒の長さとぴったり一致するのです。トラマルハナバチだけがサクラソウの蜜を独占できるのです。 トラマルハナバチの巣作りは、冬眠から目覚めた1匹の女王バチによって始まります。冬眠から目覚めたばかりの女王バチは腹ぺこです。エサを探しに行くと、春一番に咲くサクラソウが、うまい具合に準備されています。女王バチは心置きなく