月にはさまざまなミステリーが存在します。科学者の間では周知の内容なのですが、一般の方はあまりご存じないようです。きょうは月のミステリーを紹介します。 従来、月の起源は「ビッグホワック仮説」で説明されていました。「火星サイズの惑星が地球に衝突し、その惑星と地球から噴出した物質によって月が誕生した」というものです。地軸が23.5度傾いている理由も、この衝突で生じたされています。ちなみに、「ホワック」とは「ピシャリ」とか「パシン」と鋭く叩く音を意味します。 ところが、これほど大規模な衝突が起きると、地球の自転が現在よりもはるかに速くなることが判明しました。そこで「ダブルホワック仮説」が登場しました。最初の惑星と正反対の方向から、最初に衝突した惑星と同じサイズの「別の惑星」がやってきて衝突したというのです。この「往復びんた」によって、最初に与えられた回転力が弱まり、現在の自転速度になったというわけ