怪談に関するmurasaki_kairoのブックマーク (2)

  • 伝承異聞「ポスト」|ムラサキ

    古翁の村にポストが来た時の話。 村にも郵便制度が拡充し、役場の隣に郵便局ができた。同時に村で初となるポストが局の前に設置された。 朱色に塗られて屹立するポストは村民の耳目を集めた。 翁の言葉を借りれば村に郵便ブームが到来したのである。 その古翁もまた東京に出た兄を慕って葉書を書いた。 まだ幼かった翁は字が上手に書けない。しかし、見様見真似でなんとか住所と簡単な挨拶を書いた。 葉書は子どもには高価な代物であったので、翁の持つ駄賃では買うことはできない。 家の文箱に仕舞われていた葉書をこっそり拝借した。 あとは葉書をポストに投じるだけとなったが、葉書を無断で拝借したことの後ろめたさから、往来の多い日中にポストに近寄ることが憚られた。 かくして少年であった翁は夜半に家を抜け出して、人気のない往来を進みポストに葉書を投函する旅を決行したのである。 誰かに見つかるのではないかと冷や冷やしながら、なる

    伝承異聞「ポスト」|ムラサキ
    murasaki_kairo
    murasaki_kairo 2018/01/17
    創作民話シリーズ。 村にポストが来た話。 明治四年に前島密が郵便制度を開始。この舞台は明治末期を想定している。
  • 伝承異聞「自動車」|ムラサキ

    自動車がまだ珍しかった頃の話。 舗装もされていない村道に土煙を立てて自動車が走ると、近所の子どもたちがその後ろを追いかけるのであった。 ある日、村道をまた一台の車が走っていった。村の衆はまた車が通りよるわいと、畑から車に目をやった。 車の天井に女が立っていた。 白い着物を着ている。 車は女を乗せたまま走っていく。 村道を走るとき、大抵の車はがたがた揺れるが、その女が揺れている様子はない。 異様な気配を察して子どもたちもその時ばかりは車を追いかけることをやめた。 ただ、自動車が珍しい時代である。 村人たちも自動車とはああいうものなのかもしれないと自らを納得させて、口々に 「はて」 と呟いただけだった。 「しかし」 と当時を振り返り老爺は語る。 「今考えりゃ異常だ。」 ちなみにその時走った車は当時、村にあったどの車でも無かったという。 同じ古翁から自動車にまつわる話をもう一話伺う。 時代が下っ

    伝承異聞「自動車」|ムラサキ
    murasaki_kairo
    murasaki_kairo 2018/01/13
    民話や昔話が好きなので、自分で作るようになりました。創作民話と呼ぶそうですが、民話って語り継がれたものだから創作の時点で偽物感が強いですよね。 なんか良い呼び名がないかなあ。
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