農夫がいた。 ある日お腹を空かせた農夫は水車小屋を後にして、旅に出かけた。 道端に年を取った岩男が座っていた。 彼の体は岩石でできていた。頑丈な体でよく働いたものだが、年を取ってからは関節が固まって動くのも難儀するようになった。 「何処へ行くんだ」と岩男が言った。 「食べるものがないから、食べるに困らない国を探しに行くのさ」 それを聞いて岩男が言った。 「よし、俺も行こう」 また旅を続けていると道端に木男がいた。 彼の体は木でできていた。若いうちは枝もよくしなって働けたものだが、年を取ってからは中身がスカスカになって枝がポキポキ折れてばかりいる。 「何処へ行くんだ」と木男が言った。 「食べるに困らない国を探しに行くのさ」と岩男が言った。 「よし俺も行こう」と木男が言った。 三人が歩いていると道端に麻紐男がいた。彼の体は麻紐でできていた。 若いうちは物事を固く結びつけて、よく働いたものだが最