大阪に本社を置く中堅証券会社・光世証券は、今年春よりすべての営業担当者と幹部社員がiPhoneを持って仕事をしている。iPhoneの法人導入ケースとしては比較的早期の事例だ。単にコミュニケーションの効率化を図るだけでなく、業務に向ける意識そのものの変革を期待して導入した同社では、少しずつその効果が見え始めているという。導入を担当した同社システム開発チームの石川卓也氏、権藤信明氏にiPhone採用前後の経緯を聞いた。 iPhoneで社員の意識改革をしたい 光世証券は、大阪の金融街・北浜で1961年に設立された独立系の証券会社だ。創業者の巽悟朗氏(故人・前社長)はかつて大阪証券取引所の理事長、同取引所の株式会社化に伴う初代社長を努めており、在阪証券会社として存在感のある企業である。 システム面から見ると、特定の金融グループに属していないことから、業務システムを自社で開発しているという点が特徴に