泉北高速鉄道の運営会社「大阪府都市開発」(OTK)の株式を取得する南海電気鉄道は、相互乗り入れをしており一体運営による柔軟なダイヤ設定が可能になるなどの利点がある。その一方、大幅な乗り継ぎ運賃の値下げや巨額の投資負担が今後の経営の足かせになりかねない。 南海は泉北高速をグループ会社化することで、「意思決定のスピードが速くなり、ダイヤや運賃の柔軟な設定ができるようになる」としている。通勤時間帯の特急電車の運行や両社の区間をまたいで乗車する際の乗り継ぎ運賃が引き下げられるなど、利便性の向上につながる可能性が高い。 沿線に多くの大学などが立地する泉北高速の買収は「通勤や通学での利用者を確保できる」(関係者)点でうまみがある。南海は乗り継ぎ運賃の値下げなどを通じ、泉北高速から大阪市営地下鉄に流れていた利用客を取り込めるとみているだけに、泉北高速が他社の手に渡る事態を避けたかったのが本音のようだ。