「ら」抜き言葉はしばしば話題にあがるが、「さ」入れ言葉というのはご存じだろうか? 不要なところに「さ」を入れてしまうのである。これは使役を表す「せる・させる」という助動詞で、「れる・られる」と同じように五段活用・サ行変格活用の動詞に対しては「せる」を使うべきなのだ。 従って、以下の用法は誤りで、直さなくてはならない。 「やらさせていただきます」→「やらせていただきます」 「行かさせていただきます」→「行かせていただきます」 このような言葉をワープロで打って「変換してくれない!」と怒ったところで、仕方がないのだ。 それでは、このような言葉遣いは文法的に間違っているだけで、時代の流れと共に変わってゆくのを放っておいていいのだろうか? そうではない。この間違いは、「ら」抜き言葉のときとは違って、直すべき誤りなのだ。 例えば、課長であるあなたが部長に「君の部下にやってもらえないだろうか」と聞かれた
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