世界鉄鋼協会の自動車分科会であるWorld Auto Steel(WAS)は、次世代鋼鉄製自動車「FSV(Future Steel Vehicle)」の内容を明らかにした。FSVは、世界の鉄鋼メーカー17社[注1]が自動車メーカーに向けて提案する、高張力鋼を多く使った自動車である。電気自動車(EV)を想定して設計、シミュレーションした結果、ホワイトボディ(エンジンや内装、シートなどを取り付ける前のボディ)の質量を188kgに抑えるメドをつけた。これは現行の同クラスのガソリンエンジン車に対して約35%も軽い値だ。本連載では、このFSVの技術を紹介しながら鋼の可能性を探っていく。