絶滅危惧植物のさやから種子を取り出す様子=東京都新宿区の新宿御苑 国内の絶滅危惧(きぐ)植物を守るため、環境省は29日、植物園機能を持つ新宿御苑で10月から、種子保存のモデル事業を始めると発表した。種子は小さくて扱いやすく、長期保存が可能なことから、国を挙げて取り組んでいく。 同省のレッドリストは、国内に約7千種ある種子植物・シダ植物のうち、約4分の1にあたる1690種を絶滅危惧種としている。生息地で保全するのが理想的だが、植物園などで栽培しながら保全する動きも進んでいる。 新宿御苑のほか、協力を呼びかけた各地の植物園などが生息地で種子を採取。生かしたまま十分に乾燥させ、御苑内の零下20度ほどの冷凍庫で保管する。同省はすでに作業マニュアルを作った。生息地や生息状況の情報も一緒に集めることにしている。