日本に生息するヒルの一種は零下196度の超低温でも死なないことを、東京海洋大と農業生物資源研究所のチームが突き止めた。凍死を防ぐ未知のメカニズムがあるとみられ、将来、細胞や臓器の冷凍保存など医療技術への応用が期待できるという。米オンライン科学誌プロスワンに論文が掲載された。 このヒルは淡水にすみ、全長1センチ前後の「ヌマエラビル」。ニホンイシガメやクサガメに寄生している。 ヌマエラビルの特殊な能力は、カメを研究する過程で偶然見つかった。研究チームの一人が、零下80度で半年ほど冷凍していたクサガメの標本を解凍したところ、付着していたヌマエラビルが「復活」し、体を動かすのを見つけた。 どのくらい厳しい寒さに耐えられるか実験したところ、液体窒素で零下196度に冷やした状態で、24時間経過しても死なないことが判明。零下90度では最長で2年半余り生き続けた。